コラム「目指すは北極星ー自分自身がプロティアン」

今回は、『キャリアコンサルタントの歩み方』の著者であり、動物病院におけるキャリアコンサルティングを中心に活動されている、Veterinary Career Lab SMILEの岡野顕子さんよりコラムをご寄稿頂きましたので、掲載いたします。

みなさん、こんにちは。
キャリアコンサルタントの岡野顕子と申します。

私の活動領域は、動物病院におけるキャリア支援です。
「動物病院でのキャリア支援ってなにをするの？」と思われる方も多いのではないかと思いますが、キャリアカウンセリング、キャリア研修（ハラスメント研修、レジリエンス研修、キャリアデザイン研修など）、そして組織におけるキャリアコンサルティングと様々です。

なぜ私のキャリア支援が多岐に渡るかというと、”動物業界で働く人を笑顔にしたい”という思いから、自分にできることは取り組もうと考えているからです。

動物業界でのキャリア支援は、先人がいない中での模索の連続です。
そのため、未だにこの方法がいい！と断言できるものはありませんが、組織の要望に合う形で試行錯誤しながらアレンジを繰り返しています。

”動物業界で働く人を笑顔にしたい”という思いは、私の北極星です。
キャリアコンサルタントを取得した目的でもあり、その当時と思いは変わりません。

あくまでも、キャリコン取得とはキャリア支援のスタート地点として捉え、現在に至っています。

キャリア支援を始めた5年前からすると動物業界でも大きな変化がありました。
それは、愛玩動物看護師の国家資格化ということです。

それを機に、今回『獣医師のキャリア』に続き、『愛玩動物看護師のキャリア』（Kindle版）を出版しました。

動物病院では多くの病院が中小企業であり、メンターとなる先輩がいないという現状がよくあります。
その中で、さまざまな活躍があることを知ることで、自身のキャリアについて考える機会になり、また目指す方向性のヒントになると考えているからです。

北極星（ほっきょくせい、pole star, north star）とは、北側の極星のことで、天の北極に最も近い輝星です。
日周・年周において地球上から見るとほとんど動かない位置にあるため、旅人が目指す方向の指標にしたものです。

私自身北極星にたどり着くことは難しいかもしれませんが、さまざまな手段を模索しながら、常に目指すべきところとして歩んでいきたいと思います。

ダグラスホールが提唱したプロティアンキャリアに、法政大学の田中教授が現代版プロティアンキャリアを掲げて、人生100年時代を生き抜くキャリアとして推奨しています。

そこでは、キャリア自律には、アイデンティティ・アダプタビリティが大事としていますが、自分のパーパス（揺らぐことのない社会における自己の存在意義）に向かって進むことで心理的成功へつながると言われています。

パーパスは、北極星といいかえられ、辿り着かなくてもいい、でもずっと目指すべき自分の方向性なのです。

社会の関心も受けて、今回地方誌のびわ湖大津経済新聞2024年10月に出版した電子書籍（Kindle版）「愛玩動物看護師のキャリア」を取り上げていただきました。

世の中が動物病院という業界や、個々のキャリアという視点に興味を持つようになったことを実感しつつも、自身が取り組んできたことで、業界全体で働く人々にとって未来ある業界につながる可能性があるということを少し実感できて嬉しく思います。

初心を忘れることなく、さまざまな方法を模索し続けてきましたが、その中で多くの方々との繋がりがなければ、今の私のキャリアはありません。
人とのつながりが、自分自身を成長させてくれていると毎日感謝しています。

動物病院でのキャリア支援も5年になります。
初心忘れることなく、自分自身が学び続け、世の中の変化に対応したキャリア支援を今後も続けていきたいと思います。

愛玩動物看護師のキャリア
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コラム著者

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