今回は、 建設業界団体事務局勤務をとおして見えてきた建設業界の問題克服のため、これまでの経験やキャリアコンサルタントとしてのスキルを活かし活動をされている山崎 博美さんよりコラムをご寄稿頂きましたので、掲載いたします。
皆さま、こんにちは!キャリアコンサルタントの山崎 博美です。
私は、今から11年前の離婚を機に3人の子どもを育てながら建設業界へパート職員として入り、管理職になった現在までキャリアを積んで参りました。
その経験、国を挙げての建設業界の働き方改革の推進の裏で、経営者や従業員の想いのズレがあることを目の当たりにしたことがきっかけとなりキャリアコンサルタントを取得し、主に企業領域で活動しています。
建設企業内でもジェネレーションギャップについて悩み、挙句の果てに若い社員が退職していく問題について次のような相談を受けます。
「今の子は報告がない」「一人前になる為には、人より倍は残って仕事をしないとだめなのにしない」「5年目なのにまだ任せられない」「もうちょっとやる気を出してほしい」などです。
年が違えば、育ってきた環境も受けてきた教育も大きな違いがあっても仕方ありません。
そしてその前に人はそれぞれ個性を持っています。相手に対して不満や期待をするその中身には、その方の経験によって培われた価値観が隠れています。
問題と感じることも、うまくいっていると感じることも、根本はその人の“自己理解度の差”であると感じます。
実際、相手に問題があるという視点から、コミュニケーション技術習得やパワハラ防止対策などの研修を多く受講するより、その人がカウンセリングを受けることで、自己理解に繋げる方が解決に向かうスピードの速さや確率は高いように思います。
若い人たちが、会社が合わず辞めていかないようにするためにも自己理解を深めることは効果的です。
なぜならこの会社は自分には合わなかったと辞めて転職をしても、ベクトルが自分自身ではなく企業や上司など他者へ向いていたままだとまた次の会社でも問題が起こり辞めていく傾向にあります。
このような自己理解の重要性を企業に伝えていくことが今の私のライフワークとなっています。
そして企業の求める人材や理念を基にそこで働く人たちの想いや価値観、ビジョンを組み込んだ上で作り上げていく人事制度や組織開発が企業と社員をWin-Winの関係にしてくれると思っています。
なぜ、そう感じるのか、どうしてそこに拘るのか、自分自身ではなかなか気づけない自分自身を知るお手伝いができるのは、私たちキャリアコンサルタントです。
自己理解には、なりたい自分ややりたいことも含まれます。
またそれらが企業の求めていることと合致すればぐっと仕事への熱意や成果は上がり、顔色もワントーンは明るくなっていく様子を見ると、キャリアコンサルタント冥利に尽きます。
キャリアコンサルタントの存在価値をさらに広めて、働く人がまた企業が輝き続けられるお手伝いをしていきたいと思います。
コラム著者