今回は、これまで延べ5,300人の面談を経験され、企業(経営者)と社員との「橋渡し役」としてのキャリアコンサルタント(以下、キャリコン)を目指して活動されている相田良子さんにインタビューをさせて頂きました。
15年の専業主婦を経てスタートしたキャリコンとしての活動や経営者を対象とした取り組みについてお話を伺いました。
これまでのご経歴を教えてください。
専門学校卒業後、新卒で旅行会社に入社しました。
約8年間、旅行の予約、手配を中心とした接客に従事し、結婚を機に退職。
家庭に入ってからは、パートとして働いた時期もありましたが、15年ほど専業主婦をしていました。
キャリコン資格を取得されたきっかけと理由を教えてください。
子どもが4人いましたので、将来の教育費を考えてパートで仕事をしていました。
子育てがひと段落してからは、フルタイムの仕事を探しましたが、スキル不足と経験不足から、なかなか再就職が決まらず挫折を経験しました。
そんな中、偶然ネット検索で見かけた「キャリアカウンセラー」の存在を知り、「求職者の方と同じ経験をしてきた私だからこそ、気持ちがとてもよく分かる。
就職に悩む人を支援する仕事なら私にもできるかもしれない。」と思い立ち、キャリコンを目指すことにしました。
まさに発想の転換でした。
主婦からキャリコンを目指され、個人事業主になられるまでのお話をおきかせください。
キャリコンの資格を取ってもすぐに仕事に就けたわけではありません。
他の仕事をしていたところ、以前お世話になっていたハローワークの相談員さんから連絡をもらい、縁あって「わかものハローワーク」のジョブサポーターとなり、その後はサポステ(地域若者サポートステーション)の相談員を経験しました。
その間、単発でキャリア教育の講演依頼を頂くなかで、これまでの仕事とは違ったアプローチがしたい、色々な方々と話をしてみたいという気持ちが沸き上がり、思い切ってフリーになることを決意しました。
キャリアコンサルタントとしてのお仕事経験を教えてください。
高校生、若年者からシニア層までの就職支援、女性の再就職支援などをとおして延べ5,300名の方に面談をさせて頂きました。
その他にニート等の就労支援、中学校での職場体験事前講演やキャリア教育講演、女性活躍推進に係る講演などに携わってきました。私自身の子育てや再就職の経験も活かしながら、幅広い年齢層への支援の経験を積ませて頂けたと思っています。
キャリコンのお仕事をとおして感じられたこと、気づきなどがございましたら、おきかせください。
世代・職種に関係なく、働くことに関する悩みは尽きないし、変わらないものだと感じています。
特に人間関係に関する悩みやストレスを感じている方の割合が多いですね。
また将来を考えて「このままでいいのだろうか?」と、ふと立ち止まる方もいます。
例えば、仕事は楽しいけれど、それに見合った給与がもらえない、お休みが取れないといった待遇面や職場環境にフォーカスをし、そこに迷いが生じると今後の不安に繋がり、相談に来られるというケースですね。
そして日本には家族や友人以外に気軽に相談するという土壌があまりないので、一人で解決しようと頑張りすぎる人が多いように感じます。
気軽に相談できる場が広まれば、一人で悩みを抱えたままの人が少なくなると思います。
キャリコンを利用するハードルがもっと低くなることを願います。