今回は、ワーキングマザーの管理職としてのご経験を活かしキャリコン、コーチ、メンターとしてお仕事をされている櫻木友紀さんに、社外キャリコンの有用性や女性活躍についてお話を伺いしました。
またバイリンガルのキャリコンとして外国人社員との関わり方についてもお話いただきました。
これまでのご経歴を教えてください。
小、中、高校を海外で過ごし、帰国後は日本の薬を世界に出したいという夢を叶えるため、薬学部に進みました。
大学卒業後は、製薬会社に就職し、結婚後に思うところがあり退職。
その後出産、夫の看護を経験した後に、派遣社員として入社した外資系製薬会社で正社員になったのち、管理職にもなりました。
その会社で10年弱、さまざまなライフイベントに直面しながら過ごした頃、自分の中でキャリアに対する思いや葛藤があり、悩んだ末に規制当局(国から医薬品に関する調査・規制を委託された機関)に転職しました。
その後、薬の世界でやりたいことはやりつくしたと感じていた時に見つけたのが、キャリアコンサルタント(以下、キャリコン)でした。
現在は、フリーランスでキャリコン、コーチングのコーチとメンタリングのメンター、研修講師などの仕事をしています。
キャリコンを知ったきっかけを教えてください。
高校生の息子が学校から持ち帰った『将来の仕事リスト』を何気なく見ていた時にビビッときたのが、“キャリアコンサルタント”だったのです。
「私にすごく向いているかも!」「私の経験が一番活かせるかもしれない!」と思い、興味を持って色々調べたのがきっかけですね。
現在のキャリコンとしての活動を教えてください。
企業向けでは、社外キャリコンや社外メンターとして主にキャリアに関する面談(セッション)を行っています。
特にメンターとしては、その人のキャリアをより深く知り、アドバイスをしながら一緒に進みたい方向を見つけるお手伝いをやっています。
また管理職向け、女性リーダー活躍などに関する研修講師もしています。
それ以外には、転職支援のキャリア面談、大学での就活キャリア面談もやっています。
個人の方からは、ホームページ経由でキャリア面談やメンタリングの依頼を受けています。
キャリコン、コーチ、メンターそれぞれとして、かかわり方は変えておられますか?
区別はしていませんが、それぞれで学んだ知識をフル活用している感じです。
キャリコンは、基本的なキャリアやカウンセリングの概念・知識や、傾聴の方法を知って活動を始めました。
その後、ゴールを設定してそこに向かっていくスキルを学びたいと思い、コーチングを学びました。
実際その2つを重ね合わせて活動していくと、女性の管理職や子育て経験があって海外のことも分かる人が少ないので、アドバイスを求められたり、経験談をききたいという方が多いことに気がつきました。
そこで、適切な助言やフィードバックのスキルを知りたくてメンタリングを学び、今に至るという感じです。
企業が社外キャリコンをおくことの有用性はどんなところでしょうか。
社外キャリコンはものすごく重要だと思います。
話が少し前後しますが、私が独立を決めたのは、“社外の人になる”ことに強い拘りを持っていたからです。
私自身も経験しましたが、企業にいると自分の弱さやキャリアの悩みを正直に上司などに話すのは、なかなか難しいと思います。
特にポジションが上がっていけばいくほど、相談相手も減り、正しいフィードバックを貰う機会が減ってしまうので、社外に専門家を持つことは、非常に重要だと思っています。
また社内のリソースには限界があり、全てを社内で賄うにはスキルも必要です。
そういう意味でも是非、社外キャリコンを置いてほしいなと思いますね。