今回は、『キャリアコンサルタントの歩み方5』の著者の一人であり、建設業界の企業に向けた従業員のキャリア支援やメンタルヘルスケアを中心に活動されている、ヒトノコトファームの山﨑 博美さんよりコラムをご寄稿頂きましたので、掲載いたします。
キャリアコンサルタントの山崎博美です。
今年で活動5年を迎え、これまでの個人事業での運営を法人化し、新たなステージへと踏み出しました。
これまでの活動については、昨年、著者の一人として参加した『キャリアコンサルタントの歩み方5』にて詳しく触れておりますので、是非読んで頂けたらと思います。
主に「建設業界の企業」に向けた従業員のキャリア支援やメンタルヘルスケアを中心に実施してきました。
近年、全国的に災害が頻発している中、建設業は「地域の守り手」として重要な役割を果たしていますが、他産業と比較して厳しい労働条件を背景とした就業者の減少や現場の急速な高齢化、若年層の減少といった深刻な課題も同時に進行しています。
国も「技能者のキャリアを見える化」と「適正に雇用する企業を評価する」システムであるCCUSの導入や、新技術の開発促進、DX化等を通じて生産性向上を図っていますが、現場で私が特に感じるのは、若手の高い離職率や女性活躍推進の難しさです。
特に若手の離職原因としては、「現場での人間関係」が上位に挙げられます。
業界特有の課題として、現場では様々な企業や工種の技能者が日々入れ替わり、施工を進める中で、コミュニケーションの重要性が増しています。
そのような環境下でコミュニケーションをうまく取れないことが仕事を進める上での良い人間関係の構築の妨げになっています。
また、危険、汚い、きついといった過酷な作業環境や、まだまだ残っている男性中心に活躍してきた業界の文化、そして女性従事者が少ないことでローモデルが見つけられないなど建設現場で女性が活躍するための壁も感じられます。
これらに対応するために、まずは自分自身についてしっかり理解することで、離職に繋がるストレスや原因を解決し、心身健康に働くためのコツをつかんでもらおうとメンタルヘルスなどの研修を提供してきましたが、当事者以外に関心を持ってもらうことが難しいと感じる場もありました。
自発的に学んでもらえるよう模索する中で、作成したプログラムが「ヨガ数秘学」を用いたアプローチでした。
「ヨガ数秘学」は、生年月日から導かれる9つの数字の性質を以て、性格や強み、課題、さらには生まれてきた目的まで明らかにする教えです。
この手法とキャリアコンサルティング技術を組み合わせることで、自己理解の促進、コミュニケーションスタイルを発見、ストレス管理や対人関係の改善に活かすことができます。
特に、これまで関心が低かった方々にも、自分自身を客観的に捉え、自分に合ったコミュニケーション技術を現場で試したいという興味を持ってもらえるようになったことは大きな成果です。
また、建設業界における女性活躍推進については、私がその必要性を強く感じている最中に、「おかやま建設産業女性定着ネットワーク」の設立に関わらせていただきました。
ダイバーシティ推進が叫ばれる中、女性のみを取り上げる『女性活躍推進』に対して「時代遅れ」と言う経営者もいますが、私はこの取り組みが若手人材の定着にも繋がると感じています。
女性が増え、現場がより清潔で快適な環境へと変化することが、若手の担い手確保にも繋がると確信しています。
こうした変化は、現場で働く全ての人にとって働きやすい環境を作る一助になることでしょう。
キャリアコンサルタントとしての5年間の活動を振り返り、企業の課題に寄り添いながら支援ができたことに感謝しています。
今後も、一人ひとりのキャリア形成と企業の成長を支援するため、日々邁進して参ります。
コラム著者