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2025.02.07 コラム

コラム「NPO活動を通じて学ぶ!大学生が社会貢献を実践する意義」

今回は、NPO法人「おとなのキャリア支援室」の理事をつとめておられる、玉木 健二さんよりコラムをご寄稿頂きましたので、掲載いたします。

また、玉木さんが国家資格キャリアコンサルタント取得するに至った経緯や、キャリコンサルタントとしての熱い思いは、キャリコンインタビューにてお話しいただきましたので、是非こちらもご覧ください。

皆さん、こんにちは。玉木健二と申します。

先日、愛知県内の某大学にて「社会貢献活動とキャリア開発」というテーマでキャリア授業に登壇する機会を頂きました。

担当教授ご指示のもと、私が理事を務めております「NPO法人おとなのキャリア支援室」の活動事例を中心に“NPO活動を通じて学べる社会貢献の意義”について、学生の皆さんにお話しました。

私が授業でお伝えした内容の中から、多数のキャリアコンサルタントが会員として活躍する「おとなのキャリア支援室」の活動の一部を、本コラムでご紹介します。

はじめに

私は、2018年7月に国家資格キャリアコンサルタントを取得しました。

せっかく資格を取得しましたが、日常的に活動することが難しいという課題に直面しました。
これは多くのキャリアコンサルタントが抱える共通の悩みだと思います。

ある調査でキャリアコンサルタントの働き方や活動には様々な課題が指摘されていますが、特に地方における活躍の場が少ないなどの課題にとても共感しました。

なぜなら、私が住む岐阜県でのキャリア支援活動を活性化するには、キャリアコンサルタントの認知度向上、専門的な学びの機会の提供、専門家との連携、そして交流の場の創出などが不可欠だと痛感していたからです。

そこで、同じ課題意識を持つ友人が進めていたNPO設立に賛同し、2020年7月にNPO法人(以下、NPOと略す)の発足に至りました。

NPO活動を通じて学べる社会貢献の意義とは

実際は多岐にわたると考えますが、今回の授業の中では、次の5つの意義を取り上げ、学生の皆さんがより身近に感じてもらえるよう、大学の実際の取り組み(チャリティーオークション、大学の公開講座など)とNPOの取り組み併記する形で説明しました。

ここでは、それぞれの意義とNPOの取り組み事例を紹介いたします。

01理論と実践の両輪

社会貢献に関する知識を学ぶことは重要ですが、NPO活動では、その知識を実際に社会で活かすことができます。

理論と実践を結びつけることで、より深い理解が得られ、単なる知識の詰め込みではなく、自分事として捉え、解決に向けて行動する力を養うことができます。

NPOの取り組み事例

市民向けのキャリア相談会

資格は取得したものの実際にキャリアコンサルティングを行なう機会が少ないという課題を解消するために実施しています。
座学で学ぶキャリアなどの理論が実践できるよう定例会では勉強会や練習会も行なっています。

02様々な価値観との出会い

NPOには、様々なバックグラウンドを持つ人々が集まります。
年齢、性別、経験、価値観など、多様な人々と共に活動することで、自分とは異なる考え方や価値観に触れる機会が得られます。

NPOの取り組み事例

多様な価値観や生き方に触れるセミナー

40歳で医学部に入学され、3児の母として子育てをしながら、53歳で医師の夢を実現された前島貴子さん、
「セカンドキャリアの見つけ方」をはじめとする書籍の執筆や講演でご活躍の木村勝さん、
そしてエール株式会社の代表取締役を務め、著書「まずちゃんと聴く」でも有名な櫻井将さんといった、
素晴らしいキャリアの先達をお招きした大型セミナーを開催し、県外からも多数のご参加をいただき、大変好評を博しています。

03自己の成長を促す

NPO活動は、自ら考え、行動し、成長できる、まさに「実践の場」です。私は、理事としてNPOの運営に関わる中で、問題発見・解決能力、コミュニケーション力、リーダーシップなど、徐々に身についてきています。

NPOの取り組み事例

会員が講師に!企画セミナー 

会員一人ひとりが自身の専門知識や経験を活かしたセミナーを企画し、定例会で講師を務めています。
こうした機会を通じて、会員は企画力やプレゼンテーション能力を高め、自己成長への達成感を深めています。

さらに、企画されたセミナーが発展し、外部団体のハラスメント研修に採用される事例も生まれています。

04社会への貢献を実感

NPO活動を通じて、自分が社会に貢献していることを実感できることは、大きなモチベーションになると思います。

自分の行動が社会に関わっていることを実感することで、より一層社会貢献活動への意欲を高めることができるのではないかと考えます。

NPOの取り組み事例

岐阜市長との岐阜の未来を語る会

NPO事務所で会員や市民との本音のトーク会に参加しました。
私も住んでいる郊外で抱えている問題について発言したところ、市長から真摯な回答をいただくことができました。

こうした経験を通じて、小さな声でも社会を変える力があることを実感、今後のNPO活動へのモチベーションが高まりました(自身のSNSから)。

05社会とのつながり

地域住民との交流は、地域課題への理解を深め、社会貢献意欲を高める貴重な機会となります。
私自身も、NPO活動を通じて、地域社会の一員としての自覚をより強く意識し、色々な活動を始めています。

NPO(個人) の取り組み事例

「応急手当普及員」の資格の取得

ある出来事がきっかけで、救命の大切さを実感。
会社や地域で学んだ心肺蘇生法も、いざという時には役に立たず、活かすことの難しさを痛感しました。

講座中に消防署内に何度も響く緊急指令!24時間体制で命を守る救命士の皆さんに感謝。
この経験を活かして、救命講習の企画・開催など、少しでも多くの人に救命の知識を広めることで、誰かの命を救うことにつながればと思います(自身のSNSから)。

社会貢献の意義と多様なキャリアパス

私たちを取り巻く環境は、グローバル化、デジタル化の進展、多様性の尊重など、急速な変化を遂げています。
それに伴い、個人の価値観も多様化し、企業が求める人材像も変化しています。

このような状況下では、一つのキャリアに固執するのではなく、多様なキャリアパスを探索することがとても重要です。

多様なキャリアパスを探索するメリットは、「変化への対応力向上」「自分らしい働き方の発見」「キャリアの選択肢拡大と可能性の拡張」「自己成長の実感とモチベーション向上」「社会貢献機会の増加」などが挙げられます。

まさに、ここまでお伝えしてきたNPO活動で得られる社会貢献の意義(上記01~05)は、多様なキャリアパスを切り拓く上で、貴重な学びと経験となるでしょう。

まとめ(所感)

大学生への授業「NPO活動を通じて学べる社会貢献の意義」を実施した所感です。

授業を通して、大学生がNPO活動を通して社会貢献の意義を深く理解するのは容易ではないと感じる反面、学生の皆さんの社会貢献自体への関心はとても高いことを伺うこともできました。

就職活動において、社会貢献活動の経験は間違いなくアピールポイントとなります。
しかし、多くの学生が志望動機に社会貢献を挙げる現代において、他の学生と差別化を図るには、「社会貢献が企業の利益にどのように貢献するのか」を具体的に説明することが不可欠です。

これは、長年企業に身を置く立場から強く感じることです。

例えば、社会貢献活動で得た経験を通じて、問題解決能力やコミュニケーション能力が向上し、それが企業の課題解決にどのように役立つのかを具体的に示せれば、効果的なアピールとなるでしょう。

そのため、知識を社会で実践できるNPOや社会活動への参加は、学生にとって極めて有益です。この点については、皆さんにお伝えできたと感じています。

NPO法人おとなのキャリア支援室 理事 玉木 健二

NPO法人おとなのキャリア支援室
https://www.otokyari.com/

コラム著者

玉木 健二

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